これからは 虫歯の予防だけでは満足できません。いまから20年から30年前までは「虫歯の洪水の時代」といわれていました。
このような時には「早期発見、早期治療」が最も有効であると考えられ、歯科の集団検診も早期治療の目的の為に実践されていたといっても過言ではありません。実際、現在25歳以上の方で、言い換えれば20年前に永久歯が1本でも萌えていた方で、歯に詰め物をされていない方は非常に稀だといえます。大抵はそのとき萌えていた六歳臼歯に詰め物がされています。
その後、研究が進み 虫歯は十分に予防できるようになりました。集団検診でも「経過観察」という考えが広まり、ごく初期の虫歯はフッ素塗布やシーラント処置など、何らかの予防処置をして手入れを一層頑張って「その後の経過をみる」ことが一般的になっています。今現在、永久歯が1本もない子は努力次第で永久歯の虫歯を1本もつくらないで快適な一生を過ごすことができると断言できます(特別な病気、たとえば 萌えてきた時から歯の表面がぼそぼそになっているような形成不全、などを除いて)。
虫歯の予防ができるようになった現在、つぎの目標は歯周病(歯槽膿漏)と歯列(歯並び)です。小児歯科ではこのうち特に歯列について重点をおいて取り組んでいます。それは、従来の矯正治療のように悪くなってしまった歯並びをなおすというのではなく、初めからよい歯並びに成長発育するように誘導していくという考えで治療にあたっています。
下に示した例は上顎が狭く、前歯が萌える場所がなかったので広げる装置を入れたものです。
虫歯の予防ができるようになった現在、つぎの目標は歯周病(歯槽膿漏)と歯列(歯並び)です。小児歯科ではこのうち特に歯列について重点をおいて取り組んでいます。それは、従来の矯正治療のように悪くなってしまった歯並びをなおすというのではなく、初めからよい歯並びに成長発育するように誘導していくという考えで治療にあたっています。
下に示した例は上顎が狭く、前歯が萌える場所がなかったので広げる装置を入れたものです。
上顎が狭く片側の歯が
内側に入っています。
内側に入っています。
拡大する装置をつけました。
内側に入っていた歯が
正常になりました。
正常になりました。
乳歯が全部永久歯に萌え変わり、虫歯で詰めたり、かぶせたりした歯は1本もありません。
これは14年前の症例ですが、現在ではもっと良い状態にすることができるようになりました。